「成長のための2つの強化ポイント」 を前面に押し出したファミリーダラー (1ドルショップ) だが (4月7日記事参照)、また新たな動きを発表した。

4月10日に正式発表されたものだが、「営業利益効率が悪い370店舗を閉鎖する!」 との発表だ。

これは2013年度第2四半期が終了した (2014年2月28日) 段階で、第2四半期の営業成績が思いのほか悪く、売上が昨年同時期と比べると6.1%ダウンの$27億ドル (約2,700億円)。
既存店売上高が前年同時期比3.8%ダウン、純利益は35.1%ダウンの$9,090万ドル (約90億9,000万円)。

「厳しい競合、アメリカ東部の異常寒波等、業績ダウンの要因は上げられるが、再度我々の経営状態を細かく分析した。その結果として営業利益効率が悪い店舗を閉店し、その分の経費を2つの強化ポイントに回す。また少しでも商品価格を下げるために利用することにより、営業成績を上げる計画となる。」と、ファミリーダラー社の会長および CEO であるハワード・レビン氏 (Mr. Howard Levine) は語った。

このことによりファミリーダラーでは$4,000万ドル~$4,500万ドルの余剰資金を確保でき、それを他方面に使用していくと言う。
また2015年度以降の新店舗オープンもこれまでよりは少ないものとし、今年(2014年度)の新店舗オープン予定である525店舗から、2015年度は350~400店舗に抑える意向を示した。

ここで注目すべき点は、ファミリーダラーの IR メディア対応が非常に戦略的なものだったことだ。

本来2014年度第2四半期の営業成績は2月中には推定が準備され、3月には結果が分かっていたはずだ。
実際に 「成長のための2つの強化ポイント」 は、3月に入って発表されたものだ。
すでに営業不振が認められ、そこから来た強化ポイントだろう。

通常のように、
営業不振 ⇒ 370店舗を閉鎖
と言うマスコミ発表になると、「営業不振」、「店舗撤退」、「落ち目」と言う非常に強いマイナス・イメージが先行する。
しかしそれに反して、
成長のための対策強化ポイント2つ ⇒ 営業不振 ⇒ 370店舗を閉鎖 ⇒
その余剰資金を成長対策強化ポイントに注ぐ
と言う流れにすると、「営業不振だったがさらに飛躍するための戦略的店舗閉鎖」と受け取りやすい。

実際他企業が営業不振と店舗閉鎖を発表した時よりも、ファミリーダラーに関しては思ったほど今回の発表後も株価が下がっていない。

経営上層部のイメージ対策が際立った非常に上手いものであった。

(倉本)