4月1日からフロリダを中心とした食品スーパーのパブリクスと、全米業界第1位のドラッグストアであるウォルグリーンズが、共同体制でピル・ドロップを促進していくこととなった。
この「オペレーション・ピル・ドロップ(ピル・ドロップ作戦)」と銘打ったものは2010年後半から全米内各地で行われてきていた。
期限切れの薬を飲んでしまったお年寄りや、キャンディーと間違って薬を食べてしまった子供たちの報告が、2009年では何らかの中毒症状患者の51%以上に急増していた中、DEA (米国麻薬取締局)と各自治体およびその警察当局の協力の下に作り上げられたものとなる。
写真にあるような「ピル・ドロップ・ボックス」を設置し、期限切れの薬、飲まなくなって残ってしまった薬を収集することにより、間違って薬を飲んでしまうことを防ぐものだ。
(ちょうど乾電池の回収ボックス、電球の回収ボックスと同様のものと考えると分かりやすい。違いは、薬の場合は直接物理的に人体の健康を害すると言う点だ。)
しかしながらピル・ドロップ・ボックスの使用率は余り上がらず、またその存在さえ知らない消費者が多かったために薬の誤飲からくる問題点は減少しなかった。
そのため、今回のパブリクスとウォルグリーンズの共同体制に繋がった。
地区は限られてはいるが、フロリダ州パームビーチ郡にあるパブリクスの調剤部門を持つ全店舗およびウォルグリーンズの全店舗はオペレーション・ピル・ドロップの看板やサインを店内に配置するとともに、ピル・ドロップ・ボックスの位置も明確に説明する。
本来このような看板、宣伝は小売店舗の売り上げには直接つながって来るものではないし、当然余分な経費が掛かってしまう。
しかしながらその半面、企業イメージアップには大きな役割を果たす。
小さなことではあるが、全米内でパブリクスとウォルグリーンズの消費者満足度が高い訳も納得できる。
(倉本)