3月26日からマンハッタンでのサービスも開始した E グロッサリ・サービスである「インスタカート」(3月26日記事参照)が、4月1日からロサンゼルスでもサービスを開始した。

まだサービスを開始したばかりのため、サービスを提供する地区はロサンゼルス郡内西部にあたるハリウッド、ウェスト・ハリウッド、ミッド・ウィルシャー、サンタモニカ、ベニス、マリーナ・デル・レイ、ソーテル地区となる。

また現時点での買い物・配達サービスをする店舗はホールフーズマーケットに限られているが、今後はその他の店舗での買い物・配達サービスを充実させていくと言う。

ロサンゼルスはマンハッタンと違い車の普及率が非常に高い。

世帯当たりを考えると、ロサンゼルスで車を所有していない世帯は全体のたった16.53%に対して、ニューヨークは半数以上である55.7%の世帯が車を所有していない。
車文化で発達したロサンゼルスは当然のことながら小売店舗に駐車場を完備している。
その車社会であるロサンゼルスに、インスタカートのサービスが開始されたことは非常におもしろい。

インスタカートの戦略としては、特に道が混み合い、また店舗の周車上が小さい(常に満車状態)地区である、ロサンゼルス郡西部地区からサービスを開始したことだろう。
混雑した道路を運転し、また駐車場の心配をしながら買い物に行くと言う煩わしさを、インスタカートが肩代わりするサービスとなる。

インスタカートは典型的な「クラウド・ソースド・ビジネスモデル (Crowd-Sourced Business Model)」で、日本では「クラウドソーシング」と呼ばれるビジネスモデルだ。
アメリカでは2005年にこのビジネスモデル・コンセプトが生まれ、特に2010年以降は活発に成長してきたもの。
ウェブサービスのトレンドとして発達してきたビジネスモデルで「不特定多数」の人に業務を外注する形式のものとなる。
「不特定多数の人に業務を外注する」事により、在庫管理、管理倉庫、搬送車両、車両運転者、等の経費がかさむ企業インフラストラクチャー(基礎構造)を削減できるメリットが大きい。

ほぼ同時期に、街としての性格が大きく異なるマンハッタンとロサンゼルスにてサービスを開始したものとなるが、両都市での成長を比較しながら注目していきたい。