ハイパーマーケットチェーンであるメイヤーが、最新テクノロジーを駆使した次世代レジを考案し、現在実働テストを行っている。

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メイヤー社 (Meijer, Inc.) はミシガン州ウォーカー市に本社を持つ1934年に創設されたスーパーマーケット・チェーンで、スーパーセンター・フォーマットの原型を作った企業とも言われている。
現在では日用雑貨も幅広く取り扱い、スーパーセンターもしくはハイパーマーケット、大型ディスカウントストアと言った認識を受けている。
ミシガン州、イリノイ州、インディアナ州、オハイオ州、ケンタッキー州の5州に204店舗を展開。

株式未公開企業のために正確な数字は不明だが、2012年度推定売上高$158.1億ドル (約1兆5,810万円)、社員総数72,000人以上を有する、全米内小売企業では2012年度第27位の企業となる。

さてそのメイヤーだが、次世代レジをテスト稼働させているのはミシガン州ジェニソン市にある店舗 (550 Baldwin St, Jenison, MI 49428)。
4月3日から実働テストを開始した。

この最新テクノロジー次世代レジは、なんと言っても 「レジでの清算をスピードアップするために考案した」 と強く語るのはメイヤー社広報部のフランク・ガグレルミー氏 (Mr. Frank Gaglielmi) だ。

これまでの記事でも紹介してきたとおり、顧客、特に食品スーパー顧客からの最大不評点はなんと言っても 「レジが混んでいる」、「レジの待ち時間が長い」 と言うことだ。
そのためクローガー社も 「キュービジョン・レジ」 (3月30日記事) を導入している。

さてそのメイヤーの次世代レジは、NCR ビルト・システム社の開発によるものだが、
① 顧客は商品をベルトコンベアに載せる
② それぞれの商品はコンベア上に設置されている自動スキャン・システムを通過
③ 自動スキャンシステムで商品の料金確認
④ レジ係に支払いを済ませ
⑤ 3つに区分けられた商品ピックアップ部分に流され
⑥ 顧客が自身で商品をバッグ詰め
と言うものとなる。

特徴は、自動スキャンシステム内に組み込んだ17個の特殊カメラによってベルトコンベア上で移動する商品のバーコードを自動的にスキャンする事を可能にしてことだ。
(これまでのように商品のバーコード・ラベルをバーコードリーダーにかざしたりする必要がない。)

またこれまでの 「U スキャン・セルフチェックアウト」 (セルフレジ) とは違って、キャッシャーを1名レジ係として常勤させ、これまでのレジ同様にそのキャッシャーがクーポンを受け取ったり支払いを受け取る。
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現在はあくまでもテストケースの段階で、各店舗に導入される時期は未定とのことだ。

消費者からのフィードバックは好評だが、「凄く早くて良いが、自分で袋に詰めることに時間が掛かり、ベルトコンベアを止めて待ったりしなければならない」 との問題点指摘があり、より良くするための改良の必要性はあるようだ。
(逆に言うと、商品スキャンと支払い行程はそれだけ早いと言うことになる。)

前述のガグレルミー氏 によれば、「この次世代レジが正式稼働したとしても我々は通常のレジ、またセルフレジを廃止する気は全くない。」とのこと。
「レジをスピーディーにするとともに、顧客により通常レジでレジ担当と話すことが好きな顧客、セルフレジで自分で清算できることが好きな顧客と、顧客によって好みは違ってくる。そのため、少しでも顧客の好みに合った 『レジのバリエーション』 を提供することによって顧客満足度を高めていくものだ。」とも語った。

(倉本)