3月28日付けの「スーパーマーケット消費者アンケート」でも紹介したが、消費者がスーパーマーケットに対して不満を持っている第1位はなんといってもレジ待ちの長さとなる。
これは不満第2位の「通路の狭さ / 店内の混雑」に多くく水をあけた断トツの1位。

その消費者の不満第1位に、食品スーパー全米第1位のクローガーが最新 IT 技術で対抗する。
クローガーとアイリシス社(本社カリフォルニア州サンディエゴの赤外線システムおよびソフトウェア開発会社)他数社の共同による発案開発の『キュービジョン・システム(QueVision System)』だ。

このキュービジョン・システムは、店舗出入口の上部に設置された赤外線センサー、レジ待ちデータ、予想解析変数、レジからのリアルタイム・データを使用することにより、その時々の状態で最適な(レジ待ちが最低となる)レジ窓口の必要数を割り出スシステムで、目標はレジ待ち列で自分の前に1人しかレジにいない状態を消費者に提供するものになる。

赤外線センサーにより来店客数がリアルタイムで把握でき、同時にセンサーによりレジ待ち人数の把握や店舗を出ていく顧客数が分かる。
そこにレジでのリアルタイム・データ(トランズアクション数と時間)、また店舗の大きさや店内レイアウトを可変変数として取り込み分析し、その時点でのレジの状況を正確に認識するものとなる。

現在クローガーは全米内2,300店舗にこのキュービジョン・システムをすでに導入し、使用している。

開発当初はレジ待ち時間をモニターに映し出し、店員だけがその状況を確認・対応でるシステムであったが、店内顧客もそのモニターを見ることができるように変更した。
その点が特に顧客から好評を得て、このキュービジョン・システムの成功にもつながっている。

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レジ状況モニターは3つの黄色い円の中に数値が出されており、
1) 現在空いているレジ数
2) その時点で追加で空けるべきレジ数
3) 30分後に追加で空けるべきレジ数
が示される。

正式な数値的報告は未だ出ていないが、クローガー社調査開発部門上級部長であるブレット・ボナー氏(Mr. Brett Bonner)によれば、「これまでレジ待ち時間平均4分以上だった店舗が、レジ待ち時間を30秒に改善できた。」と言う。「顧客からも、レジの状況(空いているレジ数)がモニターで分かると言う点が非常に好評だ。」とも付け加えた。

(倉本)